SBI証券より米国のバンガード社が運営するETF「VT」の投資信託の発売が発表されました。
VT(トータル・ワールド・ストック・ETF)とは、全世界の株式を対象に投資が可能なETFとなります。このETFを組み入れた投資信託がSBI・V・全世界インデックスファンドとなります。
当初の募集開始は2022年1月17日からとなり、設立日は2022年1月31日となります。
1本のETFで全世界に投資が可能なVTですが、これを組み入れた投資信託としては現時点で楽天・全世界株式インデックスファンドのみとなっています。SBI証券としては、先日発売されたVTIへの投資が可能なSBI・V・全米株式インデックスファンドを設立したばかりで、それに続き、VTへ投資可能なファンドを設立することになります。
今まではVTI、VTともに楽天のみがこれに投資を行うファンドを設立していましたが、SBI証券が追随します。
SBI証券の場合、完全な後発となりますが、信託報酬が楽天のものより安く設定されていることが特徴です。
今回の SBI・V・全米株式インデックスファンド についても、信託報酬は約0.1438%程度とされています。
過去、楽天が取り扱っているVTI(全米株式)やVYM(米国株式高配当)についてもSBI証券が安い信託報酬で取り扱いを行っています。
投資信託 | 楽天証券 | SBI証券 |
VTI | 0.162% | 0.0935% |
VYM | 0.192% | 0.1238% |
VT | 0.212% | 0.1438% |
VOO | 取り扱いなし | 0.0938% |
上記のとおり、3商品ともSBI証券の方が信託報酬は安く設定されています。
こうしてみると、SBI証券のターゲットは完全に楽天証券に見えます。
SBI証券は後発である強みを活かして信託報酬を格安にすることで徹底的に楽天証券に対抗しています。対抗どころかシェアを奪いに行っています。
ただし、楽天の主力である 楽天・全世界株式インデックスファンド については、人気が根強く、SBI証券の「 SBI・V・全米株式インデックスファンド 」の純資産額の伸びはいまいちです。
SBI・VOOの純資産額の伸びは素晴らしいのですが…
なので現状、VTIは楽天、VOOはSBIという構図になっています。(VYMは両社ともいまいちなので割愛)
VTはどうでしょうか。
VTIやVOOの投資信託は海外ETFを組み入れることで人気を確保していますが、VTについては、それに比べて少し見劣りする部分はあります。(見劣りといってもVTIやVOOの人気が高すぎるだけで、VTも十分な人気です)
そういう背景から、全世界株を対象にした投資信託は同型のeMAXISSlim全世界株式(オールカントリー)に敵うかどうかがポイントになりそうです。
eMAXISSlim全世界株式(オールカントリー) については、信託報酬が0.1144%と、これも格安の設定となっています。
また純資産額総額も約4,000億となっていて、純資産額の伸びも素晴らしいものがあります。正直これに対抗するのは、かなり厳しいものがあると思います。
私なら、全世界株式の投資は eMAXISSlim全世界株式(オールカントリー) 一択です。
なので、VTをターゲットとして、かつ完全同型の投資信託を有している楽天への対抗なのかなーとなりますね。
楽天と完全同型商品であるVTIについては、SBIの方は少し見劣りしていますが、VTはどうなるかはわかりません。
信託報酬が安いといっても、楽天も十分安いレベルにありますので、敢えて乗り換える必要はないと思います。
運用会社が異なるので、運用成績も異なると思うのでしばらく様子を見るのが良いでしょう。
希望的には、強いライバルが現れたので楽天の信託報酬を下げてほしいという思いです。
この手の信託報酬合戦は消費者にとっては非常にメリットですね。今後も各社しのぎを削ってサービスレベルを向上してほしいものです。