学資保険とは
学資保険とはこどもの進学に伴う高校や大学の入学費等の教育資金の積み立てを目的とした保険です。こども保険と呼ばれることもあります。
保険って色々種類があるのですが、目的によって様々です。
・死亡した際に残された家族にお金を残したい・・・ 死亡保険
・入院した際の費用に対する保険 ・・・ 医療保険
・教育費に備えた貯蓄を行いたい ・・・ 学資保険
・老後の生活資金のための保険 ・・・ 個人年金保険
上記は一例です。
学資保険は貯蓄性のある保険ということになります。
今回はこの学資保険を投資の観点から分析したいと思います。
なお、先に結論からお伝えすると投資としては学資保険はオススメしません。
投資はしたくないけど銀行貯金よりお金を増やしたいという方へはオススメします。
ですので学資保険には加入してはいけませんという記事ではありませんのでご理解をお願いします。
学資保険のメリット
まずはメリットです。
メリット | 内容 |
毎月積み立てができる | 毎月積み立てる、という意味では普通に積み立て投資と同じ行為になります。 保険の場合はあらかじめ契約する際に返戻率(最終満期時に積み立てた保険料総額に対して保険会社が返してくれるお金の割合。基本的に保険料総額より増えます。最近では103~105%くらいに設定している商品が多い)が 定められていますので、超安定的に積み立てが可能となります。 |
元本割れリスクがほぼない | 投資には「暴落」という強力なリスクが付きものですが、学資保険には満期まで 積み立てた場合には元本割れのリスクはありません。 |
積み立て目標が明確なので積み立てし易い | 子供が15歳になるまで、18歳になるまでというように目的別に契約を設定で きます。つまり高校や大学受験に要する学費を目的に積み立てることになります ので、分かり易いですね。 |
イベントごとに祝い金が貰える | これは商品によりますが、12歳(中学進学)、15歳(高校進学)時に祝い金 として〇万円を貰える。 |
保険料払い込み免除の制度がある | ちょっとこれはメリットというがアレなのですが、契約者(一般的に親)に万が 一のことがあると、以降の保険料の支払いは不要となります。 |
生命保険料控除制度の対象となる | 保険料として掛けた金額のうち、一定額が所得控除の対象とすることが可能です。要は年末調整で返ってくるお金が増えますということになります。 |
保険(会社)は相互扶助という考えに基づいて成り立っています。
この相互扶助とはお互いに支えあうという理念になるのですが、例えば保険に加入している人全員がある計算に基づいて算出された保険料を支払い、契約者に万が一があった場合には全員が支払った保険料から保険金が支払われるという仕組みになっています。
要は保険会社のみでは支払うことができない保険金を、皆からお金を保険料として集めることで支払うことを可能にしています。
保険会社は集めた保険料を様々に運用しており、得られた利利益を保険金とともに還元することで、掛けた保険料総額よりも多くの保険金が受け取れるようになっています。
以上が主要なメリットになります。
簡単に整理すると、
・満期まで掛け続ければリスク無くお金は増えます
・子供のイベントに合わせてお金を貯る積み立てプランになっている
ということになります。
投資と比較して非常に分かり易い商品だと思います。
保険会社の商品の種類が多く迷うこともありますが、個人的には特にこだわりが無いのであれば返戻率が一番大きい学資保険を契約するのが良いと思います。
学資保険のデメリット
続いてデメリットです。
デメリット | 内容 |
満期までに積み立てを辞めると元本割れする | 途中で積み立てを辞めてしまうと契約が失効し、掛けた保険料の内〇〇%(100%未満)が返金されます。一般的に積み立てた金額より減ることになります。(一部積み立てた金額を保証してくれる商品もあるようですが。) |
長期間お金を拘束される | 満期まで積み立てしないと元本割れするので満期までかけ続けないといけません。そうなると長期間の資金が拘束されることになります。 |
返戻率が低い | 長安定的に積み立てできる反面、満期時の返戻率が低いです。 少し投資と比較してみます。 ex)毎月10,000円を子供が18歳になるまで積み立てた場合 掛け金 10,000 × 12ヵ月 × 18年 = 2,160,000円 〇保険の場合(返戻率105%で計算した場合) 2,160,000 × 1.05% = 2,268,000円 〇投資の場合 年率リターン1%で計算した場合 2,365,532円 年率リターン5%で計算した場合 3,492,020円 年率リターン9%で計算した場合 5,363,517円 ちょっと極端な例ではありますが、投資の平均リターンは5%と言われています。 18年間投資し続けて1%となるの可能性は低く、最近の米国投資では9%超の 実績もあります。さすがにいつまで続くかは分かりませんので1%、5%、9%で計算してみました。 実はデメリットとして一番伝えたかったのは当内容になります。投資の観点では 圧倒的にメリットがありません。。。 |
祝い金 | 何故祝い金がデメリットなのかですが、これは結局自分で積み立てたお金の一部を先に受け取っているだけだからです。保険会社から特別多く受け取っている訳ではありません。 |
以上がデメリットになります。
比較してみた結果
メリット・デメリットを株と比較してみました。
比較項目 | 学資保険vs株 | 勝手に軍配 |
毎月積み立て | これはどっちも積み立てを行う点では同じ。 ですが保険は2ヵ月連続で積み立てできないと失効してしまいます。 株には失効というものはありません。 | 株 |
元本割れリスク | 結局、これは両方リスクがあります。 保険の場合は途中で解約する、保険会社が破綻(※)する場合です。 株の場合は暴落、企業が破綻する場合です。 ※保険会社が破綻した場合は、一定額は保証されます。 | 引き分け |
積み立て目標が明確 | 学資保険は子供の進学。自動で目標到達可能です。 株はFIRE。私の場合ほぼ無理です(´;ω;`) | 学資保険 |
祝い金 | 学資保険は自分が積み立てた保険料から受け取る。 株は会社の利益から配当金、分配金として還元。 受け取るお金の出どころが自分のお金ではないので株が良いかと。 | 株 |
保険料の免除 | 自身の不幸と引き換えに学資保険は積み立て不要となる。 株はそれで終了です。 | 学資保険 |
所得控除 | 学資保険は所得控除の対象となる。 株は何もなし。むしろ利益が出ればでるほと税金取られます。。 NISAを使えば話は別ですが。 | 学資保険 |
資金拘束 | 学資保険は満期まで(子供が〇〇歳頃になるまで) 株はいつでもやめることが可能。 (含み損期間がある意味拘束期間になるかも) | 株 |
返戻率 | 学資保険は103~105%程が一般的。 保険は150%(年利5%で18年間積み立て続けた場合の期待値) | 株 |
他にも比較観点あるかもしれませんが、一応結果は 学資保険3:株4:引き分け1 という結果になりました。
ですが、投資の観点では圧倒的に株への投資をオススメします。
お金が増える度(=リスクの高さ) 投資 > 保険 > 銀行貯金 という公式が成り立ちます。リスクの観点でいくと、ほぼ間違いなく 株>学資保険 になります。
ただし、株も長期で保有することでリスクをかなり下げることができ、株≧学資保険 となる可能性が高いです。(過去の株式の歴史が裏付けです)
また最終的な返戻率(リターン)については株が圧倒です。
学資保険の場合、資金の拘束時間が長いので、同じ期間を積み立て続けるのであれば株への投資の方が最終的にお金は増える可能性が大です。
株も個別株ではなく、ETFや投資信託を選択することで企業倒産リスクを極めて少なくすることも可能ですしね。
ただ、投資が嫌い、リスクが払拭できない、そこまでのリターンを求めていないという方は当然学資保険でも良いと思います。
ちなみにこの記事を書いている私自身はというと、学資保険に加入しています!!(笑)
もし学資保険と株への投資で悩んでおられる方の参考になれば幸いです。
以上、学資保険と株の比較でした。