楽天証券でS&P500へ投資する投資信託が複数あり、これから投資を始める方がどの商品へ投資を行えばよいか各商品を比較してみたいと思います。
楽天証券で買える投資信託
S&P500へ投資する投資信託について、楽天証券で購入可能なものは以下6ファンド存在しています。
ファンド名 | 運用会社 | 純資産(億円) | 信託報酬 |
eMAXISSlim米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際 | 2289.24 | 0.097% |
つみたて米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際 | 1.19 | 0.220% |
Smart-i S&P500インデックス | りそな | 2.5 | 0.242% |
iFree S&P500インデックス | 大和 | 170.18 | 0.248% |
NZAM・ベータ S&P500 | 農中全共連 | 0.31 | 0.264% |
iFreeレバレッジ S&P500 | 大和 | 36.58 | 0.990% |
投資始めたての方やこれから投資を始めようと考えている方は、数が多いからどれを買えば良いかと悩むことがあると思いますのでそれぞれの特徴とオススメを紹介します。
それぞれのファンド紹介
先ずはそれぞれのファンドを紹介します。
まずは共通点としてすべて名前に「S&P500」と入っていることから、その名のとおりS&P500(円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指して運用を行うファンドとなります。
iFreeレバレッジ S&P500のみ、日々の基準価額の値動きがS&P500(米ドルベース)の値動きの 2倍程度となることを目指して運用を行うファンドとなります。(2倍を目指すということは増える時も減る時も2倍になりますので注意です)
何が違う?
各ファンドの違いは組み入れ銘柄の違いにあります。組み入れ銘柄というのは要は投資したファンドが投資している個別の銘柄を指します。
組み入れ銘柄 (上位10銘柄) | eMAXISSlim米国株式(S&P500) | つみたて米国株式(S&P500) | Smart-i S&P500インデックス | NZAM・ベータS&P500 |
APPLE INC | 6.0% | 6.0% | 5.6% | 6.2% |
MICROSOFT CORP | 5.2% | 5.2% | 4.8% | 5.4% |
AMAZON.COM INC | 4.3% | 4.3% | 4.1% | 4.5% |
FACEBOOK INC-A | 2.1% | 2.1% | 2.0% | 2.2% |
ALPHABET INC-CL A | 1.7% | 1.7% | 1.6% | 1.8% |
ALPHABET INC-CL C | 1.7% | 1.7% | 1.5% | 1.7% |
BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B | 1.5% | 1.5% | 1.4% | 1.5% |
JOHNSON & JOHNSON | 1.2% | 1.2% | 1.1% | 1.3% |
JPMORGAN CHASE & CO | 1.2% | 1.2% | 1.1% | 1.2% |
VISA INC-CLASS A SHARES | 1.1% | 1.1% | 1.1% | 1.2% |
各ファンドにより保有する個別銘柄の割合に若干の違いがあります。
eMAXISSlim米国株式とつみたて米国株式については全く同じ割合となります。
また割合は違えども上位の10銘柄はすべて同じで、保有割合が異なっています。
ifreeシリーズ↓は上記の4つとは異なりますので表を分けています。
組み入れ銘柄 (上位10銘柄) | iFree S&P500インデックス |
ISHARES CORE S&P 500 ETF | 18.7% |
APPLE INC | 4.9% |
MICROSOFT CORP | 4.3% |
AMAZON.COM INC | 3.6% |
S&P500 EMINI FUT 202012 | 1.9% |
FACEBOOK INC-CLASS A | 1.8% |
ALPHABET INC-CL A | 1.4% |
ALPHABET INC-CL C | 1.4% |
BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B | 1.2% |
JOHNSON & JOHNSON | 1.0% |
組み入れ銘柄 (上位10銘柄) | iFreeレバレッジ S&P500 |
S&P500EMINIFUT202009 | 202.9% |
U.S. TREASURL BILL | 8.0% |
iFreeS&P500インデックスは「ISHARES CORE S&P 500 ETF(※)」という海外ETFへの投資割合が最上位、レバレッジS&P500の方はいわゆるS&P500指数へ200%となる保有を行うよう運用されています。
※ISHARES CORE S&P 500 ETFはS%P500をベンチマークとしたETFです。興味がある方は、「iシェアーズ・コア S&P 500 ETF」をご参考ください。
上記より、保有割合に差があるのでそれに応じて投資結果にも差がでてくるといえますね。ただ、あくまでもS&P500の値動きに連動することを目指すとありますので概ね同じような範囲に落ち着くものと思われます。
続いて業種別比較です。
組み入れ業種(上位10業種) | eMAXISSlim米国株式 (S&P500) | つみたて米国株式 (S&P500) | Smart-i S&P500インデックス |
ソフトウェア・サービス | 13.7% | 13.7% | 12.7% |
メディア・娯楽 | 8.9% | 8.9% | 8.3% |
小売 | 7.7% | 7.7% | 7.2% |
テクノロジー・ハードウェア および機器 | 7.6% | 7.6% | 7.1% |
医薬品・バイオテクノロジー・ ライフサイエンス | 6.7% | 6.7% | 6.3% |
ヘルスケア機器・サービス | 6.3% | 6.3% | 不明 |
資本財 | 5.8% | 5.8% | 不明 |
半導体・半導体製造装置 | 4.9% | 4.9% | 不明 |
各種金融 | 4.6% | 4.6% | 不明 |
銀行 | 3.7% | 3.7% | 不明 |
組み入れ業種(上位10業種) | NZAM・ベータ S&P500 | iFree S&P500インデックス |
情報技術 | 27.3 | 21.7% |
ヘルスケア | 13.6 | 10.8% |
一般消費財・サービス | 11.4 | 9.0% |
コミュニケーション・サービス | 11.1 | 8.8% |
金融 | 10.6 | 8.4% |
資本財・サービス | 8.8 | 7.0% |
生活必需品 | 6.8 | 5.4% |
公益事業 | 2.9 | 2.3% |
素材 | 2.7 | 2.2% |
不動産 | 2.5 | – |
エネルギー、他 | – | 2.0% |
上記表を分けて記載しているのは各社月次レポートの記載内容が異なるためです。
組み入れ銘柄については大差がなかったのですが、業種で比較すると差があることが分かりますね。
NZAM・ベータS&P500が情報技術(ソフトウェアサービス)の割合が最も高く、金融業の保有割合も高めですね。つまりこれらの業種の株の影響を受けるのでその分が他のファンドと比較して差として出てくる可能性があります。
iFreeレバレッジS&P500については業種割合の記載がありませんでしたので記事には記載しておりません。
オススメ
先に結論から記載しますがオススメは eMAXISSlim米国株式(S&P500) の1択です。他の投資ブログと違いのない回答となりますが、悩む必要はありません。
その理由は以下です。
・投資先(保有している銘柄)ほぼ同じなら、信託報酬が最も安いのが良い
・純資産総額が最も多いのが良い(つまり人気がある、安心して投資できる)
特に長期投資する中で重要視したいのは信託報酬が安いこと、これに尽きます。
現在~過去の投資成績が良いからこの先もずっと続くかどうかは誰にも分かりません。これはプロでもそうです。ということは、未来の成績が読めないのであれば保有するのにかかる費用を最も少ないものを保有すること、それが最も最善の策だと考えるからです。成績が良いときも悪い時も保有コストは取られます。
純資産総額については増えるに越したことはありません。増加していないということは投資額が少ない=不人気ということであり、何かしらの理由(信託報酬が高いことが理由として一番高い可能性大)があります。また、純資産額が少ないと最悪の場合、繰上償還といって強制的に解約となる可能性があります。
・将来の投資成果が読めないので、それならば保有するコストが低い投資信託を選択するのが良い
・長期投資を行うのであれば保有し続ける必要があるので、リスクは最も少ないものを選ぶのが良い(ここで言うリスクとは繰上償還となること、長期保有に要するコストが多いことを指します)
上記を踏まえ、あえてコストが高い、純資産額が少ない商品を選ぶ必要性は感じれらません。ということで、eMAXISSlim米国株式(S&P500)をオススメします。
ちなみにiFreeレバレッジS&P500については、他の5つの商品と少し異なります。これは前述のとおりS&P500指数の2倍の成果となることを目指す運用を行います。つまり他の5つの商品より大きな利益を得られる可能性があります(当然その逆もあります)。
またその分、信託報酬が0.99%と最も高いものとなります。
この手のレバレッジ商品は資産形成として長期保有するのには向いていません。利益が2倍になるということはリスクも2倍になります。
投資信託を保有すること自体でリスクを背負うことになるのにそれをわざわざ2倍にする必要はありません。
とは言え、短期保有で暴落時に買うのであれば良いかな、くらいで考えておくのが良いと思います。
あくまでも主として保有するならeMAXISSlim米国株式(S&P500)をオススメします。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。